メなんだよ?本当は犬用シャンプーがいんだけど、とりあえずあるヤツでやっちゃおうよ。」

洗面台に温めのお湯を入れ、とりあえず子犬を入れてみた。
以外にも嫌がるどころか、気持ちよさそうにお湯につかっている。
かわいいな…

「目に入っちゃダメだから頭はお湯で流すだけにしてあげてね。」
みるみるうちに汚れがおち、キレイな真っ白い毛が出てきた。
「マルチーズ?!」
汚すぎて全く気付かなかった。
「この子、足…」ってやっと気付いたんかい!?

「いろいろ悲しい思いをしてきたんだろうね…大事にしてあげようね。」
「…うん。」
…プルプルプル
「わっ!」
心気臭い空気を取り払う様に子犬呑気に毛に付いた水を飛ばしている。
「あははは!拭いてあげなきゃね。」
「だな。ドライヤーで乾かした方がいいの?」
「うん、しっかり拭いた後弱めの温かいので乾かしてあげて♪…そういえば名前は??」
そうだった…
オレは動物を飼った事がないので犬は犬、猫は猫としか思った事がなかった。

「…もも…。」
「もも?うん、いいじゃん、かわいい☆でも何でもも??」

「今ももが入ったシュークリームにはまってるから…。」

キョトンとしたままオレの顔を見る奈々子。
「あははは!ヤンキーのクセにもも入りシュークリーム!(笑)」

「ぶっころす…」

「もも!今日からお前はももだよ!ももちゃぁ~ん☆」

この日が今までで一番幸せだ。