「あたし、いつも遼に
 助けてもらってばっかりだね。

 なのに『頼って欲しい』だなんて
 どんだけ優しいの……」


遼の優しさと心強さに
心を打たれた。


「違うよ。沙紀は自分で思ってる程
 人に頼ったりしてないんだよ。

 もっと、人に頼ったり・・・ 
 甘えたりしていいんだよ。

 沙紀は、一人で抱え込みすぎてる。

 そのくせに、人が困ってると
 ほっとけない性格で(笑)

 本当に助けが必要なのは 
 沙紀自身なのにね。

 俺は、どんな時も沙紀を抱きしめる
 準備ができてんだよ。

 いつでも、飛び込んでこいよ」


遼は、両手を広げた。

あたしは、迷わず飛び込んだ。


「よくできました」

あたしの頭を、ポンポンしながら
遼は、あたしをギュッと抱きしめた。