「姫は上方は初めてかな?」

「は、はい。
今度の上洛が初めてにござりますれば。」

「では今日は、他家の奥方たちと世間話でもして、ゆるりと過ごされよ。」

「はい…。」

他家の奥方様…。

「では、参ろうか。」

「え…?」

北政所様が席を立たれ、京の御前様も続かれましたので私も付き従いました。

私が惑っているので京の御前様が廊下で

「ほぼ毎日、何処かの家の奥方様がたが北政所様に御機嫌伺いに来ているのですよ。
太閤様は政所様に頭が上がらぬからの、夫のために繋がりを作っておくと良いのじゃ。
夫が朝鮮に出陣など、嫌でありましょう?
私もあれこれ画策致しました。」

と教えて下さいました。

「…そうだったのですか。」

「これは、女の戦と心得なさいませ。」

「はい…。」

おなごの、戦。