張り詰めた空気の中、あたしは一言を言うのがやっとだった。



「ごめん、なさい」



でも理央は、何も言ってくれなかった。


ただ無言であたしの手を握り歩き出した。



本当なら嬉しいのに、今は切ない気持ちでいっぱいだった。




最近の理央は、何も話してくれない。

だから、こんな風にするしか無かったんだ。


理央が悪いんだよ。

何も言ってくれないから…。





だから……
理央が掴んでいた手を思い切って払った。






「…」



驚いた顔であたしの顔を見てた。





「最近の理央は可笑しいよっ!」





それを言うだけでいっぱいいっぱいだった。