『び、びっくりしちゃった』



エヘヘッ、と笑うあたし。

そうでもしないと今の空気を乗り越えられない気がした。



でも、あたしの気持ちとは逆に理央はあたしを鋭い目で見下ろしていた。



背中がゾクッてする感覚。



初めてだった。
理央の怒った顔を見るの。







―――バチーン!





理央の右手があたしの頬を叩いた。



『…っ…』



親にも打たれた事がないのに。




『お前、俺が来なかったらどうすんだよっ!』