『おっさん。
こんな子供にお金出すなら、風俗行きなよ』


『…っ…』



激痛に耐えるように顔が歪んでいた。

あたしは、咄嗟に理央の背中に抱き着いて叫んでた。






『理央ッ!
もう大丈夫だから……』




あたしの声で正気を戻したのか、ゆっくりとおじさんを掴んでいる手を離した。



離された事によって自由になったおじさんは、急ぎ足で居なくなった。




理央が来てくれた事で安心するあたし。




でも…――
それは一時の安らぎに過ぎなかった。