教室から出る理央の背中をずっと眺めてた。


バイトって、何?

いきなりの事過ぎて理解できていなかった。


そんなあたしの後ろから悪魔の囁きが耳に入ってきた。







『あれは、きっと女ね』


お、女!?



その声に振り向くと怪しく笑う典子の姿。



『バイトと言って誰かと密会よ!』


『み、密会!?』



あたしの頭はまるで典子に洗脳されているのように典子の言葉を信じきっていた。




『どうするの?』




どうするの?って…





バンッ!と机を叩き立ち上がる あたしに典子は満面の笑み。





『行くっしかないでしょ!』





バイトの件も…――

密会の件も…――



黙って見れられないんだからっ!







あたしは机の横の鞄を持ち理央の追跡を開始したのだった