あっという間に入学式が終わり放課後になった。



チャイムと同時に玲央は、部活の見学に行くと言って教室を飛び出していった。


チラッと隣の席の理央に目線を送ると既に帰り支度をしていた。

別に一緒に帰る約束をしていた訳ではない。
だけど、理央から声をかけて欲しくて何食わぬ顔で席に座っていた。



『…』





だが、待っても声をかけられる事がなかった。


痺れを切らし理央に声をかける莉菜。




『り、理央っ!い、い、いしょ『用事あるから先に帰るな』






…えっ!?








頑張って声をかけた莉菜だったが直ぐに理央に断られていた





莉菜の目の前をスタスタと歩く理央。




『ちょっとっ!!用事ってなによ!』


チラッと莉菜に振り向き理央は、短く答えた






『バイトの面接』


『…えっ???』







石化のように固まる莉菜。


バイトって何??
あたし、知らないよ??








『じゃあな』





短い言葉を莉菜にかけ理央は教室を後にした