君を惑わすモノは何?
君を哀しませるモノは何?
君の求めるモノは?
僕は君の言葉が欲しい。
君の本当の差し迫った事なんて、二次元世界に生きる蟻が物の厚みを認識出来ないように、ごくごく普通に生きている僕なんかが想像だにしない別世界なんだ。
でも……
君を求めてやまない僕は君との会話を止めないように、例えそれが偽りの未来を約束する言葉だったとしても、君との時間が途切れてしまう事を恐れてただタダ言葉を紡いでしまう。
君を惑わすモノは何?
君を哀しませるモノは何?
君の求めるモノは?
僕は君の言葉が欲しい。
僕が欲しい物を尋ねても、君は哀しげに微笑んで小さくかぶりを振るだけ。僕がどんなに愛しているか叫んでも、君は虚空に目を游がせて溜め息をつくだけ。
だから……
せめて一緒に居る時間だけでも最も近くに存在していられるように、君をきつく抱き締め、その身体の奥底まで何度も愛情を注ぎ込む、そう何度も。
君を惑わすモノは何?
君を哀しませるモノは何?
君の求めるモノは?
まるで花屋の片隅に咲く一輪の白百合のように、君の脆く儚い痩躯はしかし、凛として揺るがない。
それが……
僕のちっぽけなプライドをそれこそ粉々に打ち砕いて、君との将来へと踏み出す勇気を難攻不落の要塞へと幽閉する。
君の求めるモノは?
僕は君の言葉が欲しい。
君の心からの言葉が。
☆彡