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なんの気無しに季節は巡り







前触れ無しに哀華は逝った





俺は少しだけど
臨床心理の心得が有った



なのに



それなのに



俺は彼女の『サイン』に



気付けなかった





その知識は
俺の自己満足を充たす為の

『具の無いしょっぱい澄まし汁』

でしか無かった



それは
誰の喉を潤す事も叶わず

空腹を
紛らわす事も出来なかったんだ





慌てて自分のBBSを見直してみたら

冗談めかしで
弱音を吐いている
哀華が居た





何も出来なかった俺





無力この上ない大人





二度と聞けない言葉





もう輝きを増す事の無い世界





奴は自分の言霊達に誘われて
あっちの世界に逝ってしまった