財布も水も全て置いてきてしまった私は、何も持たずに夜の道を歩いて進んだ。


中にはほとんど入ってなかったからいいんだけど。




「あんな言い方…なかったよね。」



向こうも何か言いたそうだったのに、一方的に当たって出て来てしまった。



片桐さん…きっと戸惑ってる。


だけど、もう戻れない。

これ以上は近づけない。


あんなこんな方法でしか離れられない私を許してください…。





「ぐず…っ。」


1人になっちゃった。


「片桐さ…ん…。」


もう、本当に会えないんだ…。