さすがに廊下は寒いので、部屋に戻って2人でソファーに座る。
薄暗い部屋で並ぶと、やっぱり病室を思い出す。
あのときは何も知らなくて、ただの他人だったよね。
「あの、片桐さん?」
「……ん?」
きっと今が打ち明ける最後のチャンス。
「片桐さんの彼女って…。」
言うんだ、私のお姉ちゃんですって。
だけど、私はまた彼に驚かされる。
「…君のお姉さんだろ?」
予想もしていなかった。
私がずっと言えなくて、心の中にため込んでいた想いを
彼の口から聞くことになるなんて…。
「どうして…?」
正面を向いていた顔を、彼の横顔に向けた。