先生はおもむろに一枚の写真をみせた。

「普通はこのような精子がいるんですよ……」


その後の話はもう私の耳には届かなかった。

どうやって病院をでたのかも…どうやって会社に戻ったのかもわからなかった。

会社に戻ると上司が昼ご飯に行こうと誘ってきた。

近くのラーメン屋でラーメンを頼むと上司が聞いてきた。

「で、どうだったんだよ?」

私はは少し明るく

「ないんだって」

「はぁ?何が?」

「精子が…」

「はぁぁ?ないってゼロって事か?」

「そうみたい」


上司も言葉を失った様子だった。そりゃ当たり前だよな、何て話せばいいか分からなくて当然である