一階へ降りた私は、母が座っている向かいの椅子に腰を下ろした。

背筋をピンッと伸ばし、真剣な面持ちの母が『あのね…蓮?』


「何?どうかした…?」


いつもと違うの母に少し違和感を感じて無意識に私も背筋が伸びた。


『高校に行かない?』

一瞬、何を言っているのか分からなくなった。

「は?」


"高校"という単語に吃驚して思わず声が大きくなった。

私の声に母は肩を少しびくつかせたが、冷静に言葉を続けた。

『やっぱり、一度切りの人生ですもの高校に行ってもらいたいの。後から後悔してほしくないのよ。』