「お前、制服のままじゃないか。帰ってきたの遅かったのか?」


「いえ、このまま眠っちゃって」


 暖かい部屋の中でのこの格好は流石に暑くて。

 先生がカバンを探っている間にコートとブレザーを脱ぐ。


「大丈夫かなぁ……」


 心配そうに呟きながらカバンから出されたのは白い箱。


「……ケーキ?」


「そう。絶対に倒れてる気がするんだ」


「別に、倒れれてても構わないですよ?」


 食べてしまえば一緒だと言えば、それじゃ有り難みがない、と返ってきた。