「 ラストピーターパンに選
ばれた当本人は元よりピー
ターパン症候予備群らしい
し 。現ピーターパンもそう
らしいね 。そうは見えない
けど…──着いたよ 」
図書室 、だった 。
鈴守が入って 、仁花は後に
続くと其処には図書当番の委
員達が三人居た 。
「 委員長 、今日は 」
「 …委員長 ? 」
仁花が後輩の台詞を反復す
ると 、鈴守が頷く 。
「 一応 、図書委員長ですか
ら 」
…似合う 。
そう言おうと仁花は思った
のだけれど 、鈴守は読書用
に並べた机を眺めて 、ふと
表情を明るくさせた 。
「 あ 、居た居た 」
何やら軽い足取りで駆け寄
ってしまう 。
仁花は慌てて付いて行った
。
其処に居たのは 、机に本─
─しかも分厚い──をいく
つもいくつも重ねて置き 、
それに埋もれるように黙々
と読書をする少年だった 。
「 仁花 、紹介するよ 。ラス
トピーターパンの 、時掛 」
ときかけ 。
変な名前 。
仁花も茉野はよく間野とか
真野と間違えられるけれど
。