そよかぜ国際空港(通称:シーブリーズ )。

「ここが、終々…?」

無法地帯と呼ばれていたのに、俺達の国と変わらない位活気にあふれ、豊かだった。

「パスポートを拝借します。…通って下さい」

うーん…やっぱり入国管理官は無愛想なんだな…。
しかし…イメージでは菌が蔓延してる筈なのだが、誰一人とマスクや防菌服とか着ていなかった。
でもこの事を他人に聞くのも少し失礼だし…。高梨さんに聞いとけばよかった。

すると後ろから肩をたたかれた。

「あれェ?ええと、エンドーレントさん?」
「あ、高梨さん?何故ここに…」

それは隣りの席だった高梨絵茉だった。

「高梨は一生ここに住む事に決めたァっ!もう地理ばっちりなんだヨ!レンレンさん、初めてなんでしょ?終々に来たの。だから高梨が案内するヨ」

かってにレンレンなんてしかも大声で言われて周りからの視線が釘付けられた。
しかし、なんて幸運なんだろう。正しくその通りだったからだ。


「あ、ありがとう…」

高梨絵茉は人を流しやすい性格なのだろう。


「ここが高梨が勤めているマント・ア・ナーズ製薬だヨ。何かね、ここの創始者がマント・アナーズさんだからと、マンハッタンに住んでいたからマンハッタンのアナグラムMANT A NATHにしたんだって」
「は、ははぁ…」

なんか凝ってる名前だなと思ったらそう言うことだったんだな。
何て言う奇遇なんだ!
本当にマント・アナーズさんなんかいるのか…。

「高梨が住もうと思ってるアパートに住むゥ?」