「出来たよ」



しばらく経つと、ガクが湯気のたつ器をいくつかお盆に乗せてキッチンから戻ってきた。



いい匂い。



白い器に盛られた食事は、あたしの食欲をかりたてた。



一口目を頬張って、すぐに幸せな気持ちになった。



「おいしい」



ガクはあたしにいつもの笑顔を向けた。



「いつ見てもモモの食べっぷりは気持ちいいな。作りがいがあるよ」


「だっておいしいんだもぉん」



ガクは笑顔を一層深めた。



ねぇ、あたし幸せだよ。



あの頃のあたしには考えられないくらいの幸せ。