午後6時。
少し暗くなり始めた赤い空に照らされながら、向かう先はいつもの渋谷のスタジオ。

ここで今度の雑誌撮影があるのだ。



「こんばんは~。」


「おっ。玲くん待ってたよ。今日も相変わらず仲がいいねえ。」



ドアを開けると、マネージャーの三谷さんが出迎えてくれる。

髭のよく似合う、おじさんだ。



「今日は何時まで撮影かかりそうですか?」

「う~ん、今日は押してるから10時くらいにはなるかもなあ。」


玲の問いに、三谷さんはびっちり書き込まれたスケジュール帳と時計を見比べる。



「遅くなるけど、待ってられるか?」