「おい、もう来てるぜ。」 「うん。」 顎を軽くこちらに向ける、にやにや顔の瑛司に小突かれながらもゆっくりと帰る支度をする玲。 ちょっと怒ったような横顔だって、カッコいいんだもん。 どれだけ待たされたって平気! なんて思っていると、玲は私の目の前までやって来ていた。 「帰るよ?」 「は~い。」 先を歩く玲の後ろを子犬のようについて行く。 それだけで幸せなんだ。