「おいっ誰か聞いとらんのか
えぇっ」

教室のドアが開いた

「すみませんっ
北見時雨…来てますっ」
「…」
すると彼は爽やかな笑顔を見せた
つられて担任の先生も笑顔になった

「北見どうした委員会か?」

「はい…長引いてしまって…」

「時雨朝から仕事だったんだ―」
「偉いよね☆」
“いつも同じ物腰…いつも同じ笑顔…”
「本当時雨って…」

“本当こいつは”

「カッコいーよねー☆」
“つまらない人間だな…
アイツだけは何の小説のモデルにもならんな”

学校の休み時間

「でさーユナピの小説さー」

「…」
「毎回面白いよねぇ」

「でもさーもうちょいアレが欲しいよねー」
「ギクッ…」

「わかる―っユナピのアレ読んでみたい」

“ドキドキ”
「そーそー アレだよね~アレ」
「LOVEが欲しいよねーっ」

「もっとドキドキしたいよねー
あっても友情どまりだもんねーっ」
“ラ…LOVE”
もぐもぐもぐもぐ←食べている音
「え~べつにムリに書かなくてもいんじゃない?
その人たちが言ってるだけだし」