俺は、教室に戻って、鞄を取った。


そのとき、ひらりと浮いた紙。
「ん…?」

なんだこれ…。
これって…またか…。


「どうした?日向」

斜め後ろの席で用意をしていた晄太が、俺が持っている紙を見る。

「それ、なに?」

「知らねー、俺が聞きてーよ」

そう言って、俺は、半分に折ってある紙を開いた。




【川合くんへ

突然でごめんなさい。
今日の4時30分に、この教室で待っていてください。】


名前ねーじゃん。
だめじゃん、全く…。
最近の子は…。
俺も最近の子(?)だけど…。



「晄太、先帰っててくんない?」

「いいけどー、どうした?」


不思議そうに聞いてくる晄太。
「ちょっと…な?」

「そ?じゃ、またな」

「おう」



晄太は教室から出て行き、俺一人となった。