お前が好きだ―。

そう言って…私に告白してくれた優しい彼は、すぐに遠い国に旅立った。
行き先は、不明。

“4年後には、必ず帰ってくるよ…。”

そう言って、もう6年が経ったよ?

貴方は、今ドコにいるの?

6年前…私達は、高校生で、あと少しで卒業…。

貴方が告白してくれたのは、その頃だったね。

あの時の私は、いろいろと傷ついて、苦しくてしかたなかった。
人が信じられない事もあった。

なのに…貴方はその人懐っこい性格で、私にしつこいくらいに話し掛けてくれたよね?

それから、月日は流れて、私は今、たくさんの子供に囲まれた仕事をしてる。

明日は、私の誕生日だから、みんな私のために、折り紙で作ってくれたお花をもらった。

ねぇ…私、もう25になるよ?

いつまで待てばいいの?

「せんせー、さようなら。」

『はい。さようなら。』

子供達が、いつものように迎えに来てくれた親と笑顔で帰って行く。

今日も1日が過ぎて行く…。

そしたら、まだ遊具で遊んでた女の子のこちらに来た。

「せんせー!」

『な~にぃ?』

「これ、せんせーに渡してって!!」

『え………?』

その子が持っていたのは、私の大好きなチューリップ。

『…これ、どこでもらったの?』

「あのオジサンだよ!」

その子の指差す方向を見る。
そこには、明らかに場違いなスーツで立っている男…。
男はどんどん近づく。そして、私の前にいた女の子に、お礼を言って頭を撫でた。
女の子は、さっさと遊具に行ってしまった。

そして、男と目があった…。
彼は、困惑した顔をしたまま笑顔で私に言った。

“ただいま…。”

その言葉で、私は言いたい事が全部流れた。

私は彼に近寄り抱きしめながら言った。

『お帰りなさい…。』