谷君は廊下に背を向けて
友達と話していた
どんな顔してるのかな…
さっきの
あの顔…?
あーダメダメっ
余計なこと考えないっ
谷君を呼ぼうとドア枠に手をかけた時
友達の1人がわたしに気付き
谷君を促した
「ハルちゃん!」
すごい勢いで振り向いて
満面の笑顔を見せてくれる谷君
わたしの谷君だ…
わたしも笑顔で応えた
谷君はバタバタとカバンを取りに行ったり
友達にバイバイしたりして
すぐに廊下に来てくれた
「ハルちゃんが迎えに来てくれるなんてうれしいよ!」
ニコニコ
無邪気に笑う谷君
さっきの顔が見間違いだった気がするくらい
その笑顔は純粋に見えた
あぁ…
やっぱり
好きだな…