ざわざわ
帰りのHRが終わった
にぎやかな教室
みんなの楽しそうな声が飛び交う中
わたしは急いで帰り支度を済ませた
「じゃあね、麻由子。
わたし、谷君のとこ行ってくる」
カバンを持ってそう言うと
麻由子は心配そうな顔を見せた
そんな麻由子を安心させたくて
精一杯の笑顔を作るわたし
ひきつってるのが
自分にもわかるのが悲しい…
「大丈夫だよ。
わたし、ちゃんと谷君と向き合いたいんだ」
少し間があって
麻由子が口元で笑った
「わかったよ。
がんばれ、ハルちゃん」
「うん!ありがとう!」
わたしは麻由子に手を振って
教室を飛び出した
人混みをかきわけるように
廊下を早足で進み
谷君のクラスを目指す
少し…
ううん
結構ドキドキしてる
「ふぅ…」
深く呼吸して
教室に着いた