潤はカラになったわたしの紙コップを取り

自分のと一緒にゴミ箱に放り込んだ



「あの時…潤と一緒にいたのが谷君…?」



「そーゆーこと」



そうだったんだ…



わたし夢中だったから…



一度会ってたんだね

谷君



「その時からだと思うよ。

谷がハルちゃんのこと

気にするようになったの」



「え!?」



潤は思い出し笑いをかみころしてる



「あれから谷のヤツ、すっかり変わったんだよ。

丸くなったっつーか。

俺らとつるむようになったし。

で、突然…」



潤がわたしの顔を見て

ニヤッと笑った



「『“ハルちゃん”ってかわいくね!?』

って言い出した。

誰だよ、とか思ったけど」



わぁっ!



そんなことがあったの!?



不良さんグループの中で

わたしが話題になってたなんて…



信じられない



「そんなわけで」



潤は立ち上がって



「俺達はハルちゃんに感謝してんの。

谷と仲良くなれたのもそうだし

谷自身、落ち着いたしな」



わたしの頭をポンポンたたいた



ひゃあっ



ちょっ…ちょっと潤!

何してるのよ!!



ドキドキさせないでよっ



仮にも初恋の人なんだから



…って

潤が知るはずないんだけどさ