そんなわけで

わたしは体育館裏にやって来た



行かないともっとひどいことになっちゃうかもしれないもん…



教室に来た不良さん達も

ただじゃ済まないって言ってたし…



いくら不良さんっていったって

何の関係もない人を傷付けたりはしないよね?



よし!行こう!



「お待たせしてすみませんでした!!」



体育館の横から飛び出して

そこで深く頭を下げた



なんか

体育会系の部活みたい



なんて

のんきなこと考えてる場合じゃないけど



ザッ…



砂利を踏みしめる音が聞こえて

下を向いたまま体を硬くする



「よかった。来てくれたんだ」



…え?



聞こえてきたのは

想像していたよりずっとやさしい口調



思わず勢いよく頭を上げて



わたしは目を疑った



そこにいたのは



三点セットそろった不良さんなんだけど



でも不良さんらしくなくて



すごくかわいい笑顔だったの



こんなこと言ったら

それこそボコられちゃうよね



でも

かわいいって思っちゃったんだ



初めて前にした谷君のこと