それは今日の昼休みの出来事



「ハルってどいつ?」



平和なランチタイムを過ごすクラスメイト達の楽しげなざわめきが



ぴたり。



と止んだ



みんなの視線が集まった教室のドアのところに

数人の男の子



茶髪

ピアス

着くずした制服



その三点セットだけで

わたし達を黙らせるのには充分



ここはそういう高校なんだ



「おい!ハルってどいつだって聞いてんだよ!」



「はっ…はい!!」



ガタン!



お弁当を食べていた箸を握りしめたまま

わたしは弾かれるように立ち上がった



「バカっ!返事しちゃだめじゃん!」



隣で親友の麻由子が小声で制したけれど

もう遅かった



「放課後体育館裏に来い!」



ざわっ



不良が叫び

教室がどよめく



そしてとどめの一発



「谷さんからの呼び出しだ!

来なかったらただじゃ済ませねぇからな!」



そう言い残して不良は去っていった