毎度のことながら

わたしはみんなの質問ぜめにあい

谷君の助けを借りながらなんとか受け答え

適当なところで谷君が切り上げてくれた



「ふぅ…」



わたしはベンチに腰を下ろして一息ついた



谷君はバスケをしに行ってる



わたしといる時とは

また違った表情



無邪気な笑顔や真剣な顔



谷君ってバスケうまいんだぁ…



谷君の動きを目で追っていると



「あなたがハルちゃん!?」



後ろから女の子の澄んだ声が飛んできた



そういえば

ハルちゃんって

女の子から呼ばれたのって久しぶりかも



谷君の友達がおもしろがって

ハルちゃんハルちゃんって

からかうみたいに呼ぶから

それに慣れちゃったみたい



振り返ると

そこにはすごく綺麗な女の子がいた



「あたし、雨宮サツキ」



にっこり笑って言いながら

わたしの隣に腰を下ろした





この人が真由子の言ってた

“雨宮さん”か…



わぁ



近くで見ると

ほんとに綺麗



こんな人が同じ学校にいたなんて