不思議そうな表情を浮かべて

歩み寄る潤



一歩近付くごとに

鼓動が速くなっていく







あのね



わたし



「潤…」



名前を呼ぶだけで

泣きそうになる



なんて

大切な存在なんだろう



名前の響きが

心にじんわりと広がる

それだけで

暖かくて優しい






―――好き






そう

言いたいのに

言葉にならなくて



「あのね。これからも…

一緒にいて…いい?」



それだけ言うのが精一杯で



ふ…と表情を崩した潤は

意地悪な響きをたっぷり込めたいつもの口調で



「いいよ。でもハルちゃんが自分からいなくなったら、もう知らねーからな」



そう言ってくれたんだ