夢を見ているのかと思った



ううん

夢の中でも

わたしは潤を呼んだのに

決して振り向いてくれなかった



遠くなっていく背中に

声が枯れるまで呼びかけた



もう二度と

その背中しか

見ることができないんじゃないかって




怖くて

淋しくて

心細くて

たまらなかった




振り向いてって



もう一度顔を見せてって



また笑って見せてって



祈るように

呼び続けた



その

潤が



その

潤の腕が



再びわたしを抱きしめてくれるなんて



夢みたいで



うれしくて



心強くて



わたし

自分でも気付かないうちに

こんなにも

潤を

求めてた