自分の耳が信じられなくて

わたしはそのまま動かず

息を詰めて次の瞬間を待っていた



「何やってんだよ…ったく…」



ため息交じりの声が



「だから放っとけないんだよ…!」



半分

怒ったみたいな



でも

親しみを込めてくれてるのが

わかる



ぶっきらぼうな

優しさ




大きな手のひらが

わたしの頭を強引にかき抱いて



「そんな無理すんなよ。

ひとりで立ち向かおうとするな」



わたしは

潤のあたたかい胸に

引き寄せられた