「男子と話すのって慣れてないけど

アイツとはすごく話しやすくて

あっという間に時間が流れた。

もっと…話してたかった…」



麻由子は

照れくさそうに言った



「それからなんとなく

いつも姿探しちゃったりして。

顔だけのゴーマンなヤツかと思ってたら

実はすごい気配りできてて

周りをちゃんと見てて。

そういうところ、いいなって思った」



そんなふうに見てたなんて

わたし気付いてなかった



ずっと傍にいたのに



「で、見てるうちに、

ハルちゃんのことが好きなんだなってわかって。

でも、なんかね、

ハルちゃんのことを大事にしてるアイツのことが

あたし、好きだと思った。

だから見てるだけでよかった。

アイツがハルちゃんを見守るように

あたしもずっとアイツを見守っていけたらって

そう思うことにした」



麻由子は

にじんだ涙を

今度はそっと

指ですくった



麻由子の秘めた想いの強さが

痛いくらいに伝わってきて



苦しかった