お昼休み

谷君と廊下の隅で話していたら



「あ!ハルちゃんだ~」



男の子数人の

楽しげな声が飛んできた



見るとそこには



思わず一歩引いちゃうような



不良さん達がずらり



「てめーら…冷やかしに来たな?」



谷君がしかめっつらを作る



でも口元は笑ってる



谷君の友達…かぁ



「ハルちゃん、はじめましてー」



「これから仲良くしてね♪」



ひぃっ



やっぱ怖い!



「仲良くすんなっ

てか近付くな!

ハルちゃんは俺の!!」



っわぁ!



今どさくさにまぎれて

とっても照れくさい言葉を聞いたような…



「出た、“俺のハルちゃん”」



みんなからかうように笑ってる



「うるせっ

もーおまえら

どっか行けって」



谷君

たじたじ



あの谷君が

いじられてる…



不思議な光景



「…ふふっ」



「ハルちゃん?

もしかして今笑った?」



「え」



谷君がかわいくて

思わず笑っちゃったけど

知らんぷり



「もー…みんなやだっ」



谷君がしゃがみ込んだ



それを見てみんなまた笑う



今度はわたしも

みんなに混ざって笑った


谷君

ごめんね