「帰ろう」



そう言って

潤は

わたしのかばんを持った



もしかして

迎えに来てくれたの?



わたしは

潤の優しさがうれしくて

「うん。帰ろう」

笑って応えた



この時のわたしは

潤の優しさに甘えちゃいけないって決意したことを

すっかり忘れて



ただ

うれしくて



心細くて



『優しくしてくれるなら

誰でもよかったんだな…』



そんな悲しいことを

言わせてしまうとは

知らずに