ポタッ
見つめていた
つま先の間に
何かが落ちた
と同時に
視界がゆらゆら揺れて
床がぼやけた
「あーあ、泣いちゃった」
笹川さんの声が飛ぶ
そっか
落ちたのは
わたしの涙か…
わたし
泣いてるんだ
「ちょっとぉ。
これじゃあ、あたし達が泣かせたみたいじゃん」
橋本さんの
わざとらしい言葉
その通りじゃん…
あんた達のせいで
泣いてんじゃん…!
「ハールーちゃん」
笹川さんの声が
近付いてくる
「悲劇のヒロインぶるのも…」
ぐいっ!
胸ぐらを思い切りつかまれ
拍子に顔が持ち上げられる
「いーかげんに、しろよ?」
ぼやけた視界の先に
たくさんの
顔
みんなが
わたしを見てる
「一番のワルモノは、
あんた。
あんたのせいで、みんなが嫌な気持ちになるの。
あんたなんて、いない方がいいの」
小さな子供に言い聞かせるような
妙に優しい口調が
わたしに
とどめを刺した