「よし、笑った」



ポン…と

頭に潤の手のひらが落ちてきて



「無理しなくていいけど

余分に落ち込むのは損だからな」



小さな子どもに言い聞かせるように



落ち着いた声と

大きな手のひらで

わたしを包んでくれた



「…りがとね」



自然と言葉が口をついて



言いたかった“ありがとう”を

やっと伝えた






あぁ…そっか…



心からの“ありがとう”は

無理に言おうとしても

言えないんだ