2人に何か言わなくちゃいけない



せめて“ありがとう”って

お礼を言わなくちゃいけない



ぼーっとする頭の片隅で

そんなことを考えたものの



思考はすぐに途切れて

結局何も言えず



潤が



「そろそろ帰ろう。

ハルちゃんは俺が送るから」



そう切り出してくれるまで

長い長い沈黙が

重たく覆い被さっていた