「ごめんっ…
谷君ごめん…!」
わがままなのはわたしだ
許せないなら
嫌いになればいいのに
好きなら
許せばいいのに
どっちもできない
「なんでハルちゃんがあやまるの…」
谷君まで泣きそうな声
困らせてるよね
わけわかんないよね
「っ…うっ…」
何か言おうとしても
嗚咽に変わる
ダメだ…
もう何も話せない…
「…ごめん…」
谷君が口を開く
「泣かないで…
もう…わかったから…」
ぽつり…
小さくつぶやく
そして
「でも俺は…
別れたって思ってないから…
勝手にそう思ってるから…」
そう言い残して
そっと
立ち去った
「………っ」
わたしは
その場にうずくまって
声を殺して
泣き続けた