わたしは
さっきからずっと
違和感のようなものを感じていた
それは
わたしが生きてきた17年という歳月を
ひっくり返してしまうような怖ろしさを
持っているような気がした
「わたし…どっかおかしいのかな…」
そんな言葉にしか
ならなかったけど
それが一番しっくりくるような気がしたんだ
「谷君とサツキちゃんが言ってること
全然理解できなかったの。
なんていうのかな…
ほんとに、“わからなかった”の。
まるで
知らない国の言葉みたいに」
潤はマグカップをテーブルに置いて
そっと口を開いた
「たぶん…ハルちゃんが純粋すぎたってことなんだと思う」
純粋…?
どういう意味?
「ハルちゃんはああいう人間がいるってこと自体を知らなかった。
だからアイツらの言うことだってわかるはずがない」