わたしが落ち着いたのは
もうお昼も近い頃だった
公園の植え込みの陰で
2人並んで
寄り添って座っていた
「谷君、ごめんね。
わたしのせいで
サボらせちゃって…」
「何言ってんの。
サボりなんて慣れっこ」
谷君は
そう言って笑ってみせてくれた
そんな谷君の優しさに
「ありがとう」
わたしは心からお礼を言った
谷君がいなかったら
わたし
あの教室でひとりぼっち
どんな辛い時間を過ごしていたか…
考えただけで
ぞっとする
「ねぇ、ハルちゃん」
谷君が口を開いた
谷君の顔を見ると
さっきとは違う
真剣な瞳が
まっすぐわたしを見つめていた
「俺、ハルちゃんのこと好きだよ。
ハルちゃんも俺のこと
好きでいてくれてる?」
え…?
なんで
そんなこと
急に…?
「俺だけのこと
好きでいてくれてるんだよね?
信じていいんだよね?」