外に出ると、やっと手を離してくれた。

「瑛、何であんな…」

「笹野!」

言いかけたとき、うしろから琉が叫んだ。

「お前、何してんの?」

琉を睨んで言った。瑛は相変わらず無表情。

「馨の好きなもの知ってる?」

「は?」

「イチゴだよ。彼氏でしょ?分からなかった?」

確かに私の好きなものはイチゴ。でも、どうして知ってるの?
さっきもパフェでイチゴを頼んでた。

「馨」

瑛が私を呼んだ。そして、腕を引っ張られた。

…え?

キス…された。ファーストキスだった。

「え…ええ!?」

「まだ口の中甘い」

私は指で唇に触れた。
え、え…瑛!!