「馨、付き合って下さい。元カレ君のような思いはさせない」

「…ずっと幸せにしてくれる?」

「ああ」

「ずっと甘いものを一緒に食べてくれる?」

「ああ」

「…お願いします」

私は自然に涙が流れていた。
悲しい涙じゃない。嬉しいんだ。

瑛はそっと私の涙に触れた。
微笑んで抱きしめてくれた。

「よく泣くよ、ホント」

「これは嬉しいからだもん」

「まぁ、そこも好きだけど」

抱き合っていると、司会者が言った。

「今回の優勝カップル…笹野・西宮カップル!」

すると、大きな拍手と大きな花束を渡された。