私は仕方なく立ち上がって、前に行くとある人の名前が呼ばれた。

「滝沢琉」

その名前を聞いたとき、私は一瞬だけ固まった。

振り返ることもできず、私はまっすぐ歩いた。

瑛が私の手を握って、引っ張っていく。

「さて、どんなデカい告白なんでしょう。では、お願いします!まずは…笹野瑛君、西宮馨さん!」

バカ司会者!
最初とかやだっ。もうちょっと考えて選んでよ。

「ちょっと待て。俺からでいいか?」

「え、はい」

琉?
琉がある女の子を連れて出てきた。
美人で有名な石崎さん。

…やっぱり。

「俺は石崎より、西宮馨が好きだ」

「…え?」

石崎さんは青い顔して琉を見た。
私は驚いていて声が出なかった。

その告白を聞いた全校生徒は、目を丸くして「どーいうこと?」と友達とひそひそ話している。

「そうきたか」

瑛がつぶやいた。