「なぁ、もうそろそろだな」

「…うん」

また心がズキッとする。
ズキッとしたり、モヤモヤしたり…私、どうして…。

「…る、馨?」

「ん?」

「体育館だってよ」

体育館…もう始まるんだよね。仕方ない、覚悟決めて行くしかない!

「あ、これ着て」

瑛から大きな紙袋を受け取って、保健室で着替えた。

…って、うわぁっ。
このドレスって、すごい綺麗。薄いピンクでふわふわしていて可愛い。

保健室から出て、イスに座っている瑛に近づいた。

「ど、どう?」

「可愛い。イチゴみたい」

「ありがとう。瑛の服って…」

「タキシード」

カッコイイ。
いつも以上に、カッコイイよ。
…私、ドキドキしてる?