「…やっぱお前は弱い」

弱い。
確かに私は弱い。甘えてばかりで誰かにすがりつくことしかしない。

「だから、俺がお前を守ってやっから」

…は?
何言ってるの?

―ドンドン―

「馨!」

瑛の声がした。私は急いで服を着て立ち上がった。

「また笹野かよ」

「…琉」

「あ?」

「私はあんたに守ってもらうほど、弱くないから」

鍵を開けて、瑛に抱き着いた。

「なるほど…」

琉がつぶやいた。バカにしたような感じでイラッとした。

「元カレ君。しつこいよ」

「うっせ」

瑛は私の頭を撫でた。
私は琉に向かって鍵を投げ付けた。

バイバイ、琉。