「ふざけん…」

「そっちがふざけてんじゃん?」

瑛が入ってきて、バケツを拾いあげた。

「ちょっと、瑛…ここ女子トイレ」

「知ってる」

知ってるって…変態扱いされるよ?

瑛はバケツに水を入れて、つぶやいた。

「このくらいか…」

「へ?」

「せーのっ」

女の子達に水をぶっかけた。

「きゃああっ!」

「最悪っ!」

女の子達はびしょ濡れになりながら、出て行った。

容赦ないんだね。でも、人気が落ちちゃうよ?

「退治完了」

バケツを置いて、私の髪の毛を整え始めた。

…ホント、女子トイレに入ってくるわ、女の子達に水ぶっかけるわ…よく分かんない人。

でも…瑛は優しい人だってことは知ってる。