「馨、甘い匂いがする」

「ケーキじゃないの?」

「馨から」

「でも私より瑛が甘い匂いするから」

いっつも甘い匂いだし。
瑛に近づいてみると、やっぱり甘いなぁ。

「瑛って太らないね」

「そう?」

「うん。うらやましいくらい」

頬を軽くつねったり、腕をつかんだりしたけど…細いっ!

「俺も触っていい?」

「やっ!やだっ」

「俺、触られてばっかなんだけど?」

そ、そんなこと言ったって、女の子に触るって!

絶対、嫌。

「へ、変態っ」

「じゃ、馨も変態だ」

「違うっ。もう!」

立ち上がって、トイレに向かった。

「どこ行くの?」

「トイレ!」

「俺も行く」

「変態ぃぃ!」

「冗談だって」

またからかわれた。
私はトイレに駆け込んだ。