はっと現実に戻ると、頬をつねって時計を見た。

もう21時12分。

…どうしよう。
行ったほうがいいのかな。それとも行かないほうが?

私は目を閉じて考えた。

そして目を開けると、いつの間にか足が勝手に動いていた。

公園に向かう途中、ドキドキしていて何度も帰ろうか悩んだ。
でも結局、公園に着いてしまった。

もう…いるはずないよね。

帰ろう。

「おせーよ」

うしろを振り返ると、寒そうにしている琉がいた。

ど…うして?どうしているの?
時間はとっくに過ぎてるんだよ。