「はぁ…はぁ…はぁ、ちょっと…速いっ…」

「ごめん。ほら乗りな」

「う…うん。あれ、和哉は…?」

「バイク」

和哉も自分のバイクに乗ってやってきた。

男子って皆、乗るんだね。
カッコイイからかな?

私も瑛のうしろに乗り、顔を上げたとき…琉が私を睨んでいた。

「じゃ、行くか」

「ああ」

勢いよく走り出して、琉の横を通り過ぎた。

私達に境界線ができた瞬間でもあった。

顔を瑛の背中にくっつけて、琉を見ないようにした。


琉の姿を見たくない。
琉の周りでくっついてる女の子達の声も聞きたくない。


私は罪悪感でいっぱいになりながら目を閉じた。